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キリストの降誕を祝う1つとしてプレゼピ(presepi)があります。これはイタリアの各地で行われ、教会のための宗教的なディスプレイとして、職人の手によってキリストの降誕シーンが描かれます。いろいろな素材で作られ、羊飼いや漁師、司祭、聖職者などカラフルな人物が衣装を身にまとい、彫刻されています。聖なる世界と現実が表されています。12月10日前後になると、ナポリやボローニャでは、教会や広場、個人宅でも降誕シーンを見かけることができます。
イタリアでは、クリスマスを祝うために家族で集まって食事をします。この食事は、北部と南部で大きく違う点があり、フィレンツェから北はクリスマスのお祝いは25日のランチから始まり、ローマから南はクリスマスイブのディナーから始まります。北部では、24日は魚を使ったメニュー(ピエモンテなどの山岳地帯では、野菜のみ)で翌日のランチに向けて簡単に済ませます。南部では、24日の昼下がりから魚を使ったメニューに、ワインなどで食事をとり、夜明けまでトランプやボードゲームなどをして過ごします。イタリア南部のカラブリアでは、クリスマスの伝統を重んじて、イブのディナーには13の料理を置きます。これは、最後の晩餐にある12人の使徒とイエスの数にもある通り、キリスト教にとっては宗教的な意味合いを持った数字です。
クリスマスイブは魚料理が伝統です。パスタでは、アンチョビ、マグロ、イワシ、あさりなどの魚介やトマトが使われます。クリスマス当日には肉が食卓に並びます。クリスマスに食べる料理の1つに「うなぎ」があります。「うなぎ」は見た目が蛇のようで、悪魔の化身である蛇に似た「うなぎ」を食べることで邪悪なものを払うという厄払いの意味を持っています。
イタリアでは、カピトーネ(メスウナギ)を食べますが、その食べ方は地方によって異なります。南イタリアでは、うなぎをぶつ切りにしてフリットにした食べ方が一般的ですが、うなぎの養殖が盛んである北イタリアでは、グリルやローストなど食べ方も様々です。 プーリアのフォッジャやナポリでは、12月24日の夕方はカピトーネを食べることで知られています。イタリア南部では、セモリナ粉または卵やパン粉を使ってフライにし、パセリやタイムなどのハーブや塩、バルサミコ酢で味付けするといった食べ方をします。イタリア北部では、グリルしたうなぎを白ワイン、ビネガーや塩、月桂樹の葉でマリネにしたり、うなぎをトマトソースとオリーブオイル、玉ねぎ、ワインで煮込んだり、水と酢でうなぎを煮てレモンとオリーブオイル、塩、コショウで作ったソースをかけて食べたり、ウナギを焼いてにんにく、ローズマリー、レモン、月桂樹の葉を合わせて臭みを消したりします。
イタリアでウナギは「anguilla アングィッラ」と「capitone カピトーネ」に区別されます。2つの違いは、アングィッラは雄、カピトーネは雌という点です。うなぎは生まれたときは性別がなく、成長過程で性別が決まります。近年の調査では、育て方(期間やえさ)によってウナギの性別が決まり、ゆっくりと育てることで雌が増えるといわれています。日本では99%を養殖うなぎが占めており、養殖うなぎのうち約9割が雄と言われています。イタリアで一般的なヨーロッパウナギは、雄は一般的には40~50㎝程、雌は1.2~1.5mほどまでに育ち大きさが大きいことが特徴です。日本で流通しているウナギは80cmほどです。うなぎについて
イタリアでは、クリスマスイブやクリスマスに出てくる料理は、地域によって特色がみられます。今回は、イタリアの地域で代表的なクリスマス料理をご紹介します。
イタリア北西部、アルプス山脈の山中に位置し、西はフランス、北はスイスの国境に接する。
イタリア北西部、トリュフやワインが名産の土地で、トリノのチョコレートも有名。
イタリア最大の港町ジェノヴァを中心に東西に広がる海に面した州。
イタリア北東部、南はアドリア海、北はドロミーティ山に面している。ヴェネツィアがある州。
世界遺産を有するラヴェンナやモデナ、芸術の街パルマ、陶器の街ファエンツァなど文化の街が多くある。パルマやランギラーノの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノ、モデナのバルサミコ酢などが名物。
イタリア中西部、ローマがある歴史的な街。ローマ近郊には古代ローマの遺跡が多く存在する。
イタリア中東部。マルケ州内陸部の小さな街々は、緑が美しい丘陵地帯に点在し、海岸沿いは白砂と遠浅の海がきれいな街。
イタリア中東部、グラン・サッソ国立公園などを有する自然豊かな州。
イタリア中東部、山に囲まれた自然豊かな地域で、海辺の街テルモリ城壁に囲まれた歴史を感じる中世の街並み。
イタリア南西部、食の街ナポリ、リゾート地アマルフィ海岸、古代ローマの街が保存されたポンペイなどイタリア有数の観光地。
イタリア南東部、バーリは中世と近代の街並み、ターラントは南国の港町。イタリアで1番のオリーブ生産地。ワインの生産も盛んな都市。</>
イタリア南部、シチリア島に近く、海に囲まれた州。古城や修道院が多く点在している。
イタリアの西部、シチリアの上にある島で、高級リゾート地コスタ・ズメラルダが有名。
イタリア南部のシチリア島。温暖な気候から、オレンジ、レモン、オリーブ、アーモンド、地中海でとれるまぐろ、イワシなどの魚介、トマトやナスなどの野菜が豊富で、アラブ料理の影響を受けている。
今回は、クリスマスにぴったりのパスタをご紹介いたします。
イタリアのクリスマスイブには、肉を食べないのでアンチョビを使った料理が並びます。キャベツやトマトの色合いはクリスマスにぴったりの一皿です。
貝に見立てたコンキリエとイタリアでは定番のブロッコリー、様々な種類の貝を加えた色鮮やかな一皿です。カラブリア州のように、赤唐辛子を加えると、ソースが引き締まって大人の味わいになります。
フェットチーネにボロネーゼを組み合わせるのは、ローマのクリスマス定番です。
今年のクリスマスは、イタリアのクリスマスを参考に過ごしてみませんか?素敵なクリスマスをお過ごしください。
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